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しわは年を重ねるとできるもの、というイメージが強いですが、同じ年齢でも、しわの多い人もいればしわのないすべすべたまご肌の方もいます。なぜ、しわはできてしまうのでしょうか。

私たちの皮膚は肌表面から順に表皮、真皮、皮下組織に分かれています。表皮層の厚さは約0.2ミリと非常に薄いですが、異物の侵入や水分の蒸散を防ぐバリアとして大切な役割を果たしています。その下の真皮層は肌組織の大部分を占め、真皮を構成するコラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンなどは肌の弾力を保つ働きを担っています。血管・汗腺・リンパ管などもこの真皮層に存在して肌の機能を維持しています。

皮膚に溝ができ「よれ」が出てきた状態がしわですが、しわはその発生原因によって

• 表皮の機能低下によるしわ…乾燥による小じわなど
• 真皮の機能低下によるしわ…加齢によるしわ、光老化によるしわなど
• 表情筋の働きによるしわ

に大まかに分類されます。

表皮の機能低下によるしわ

皮膚表面にはもともと「皮溝」「皮丘」と呼ばれる溝と盛り上がりがあり、この二つが「皮紋」と呼ばれるひし形に近い網目模様を作り出しています。

若いうちはこの皮紋は均一に正しく並び（いわゆるキメ=肌理が細かい肌がこれです）、なめらかでつるりとした状態ですが、20代、30代を過ぎてくるとこの皮紋がだんだんと不均一になり、ある一定方それが偏ってくると目に見えるしわとなります。

小じわやちりめんじわはこの皮紋の不均一によできている場合が多いしわです。

皮紋の目を粗く不均一にする原因の最たるもの「乾燥」です。

元々持っている肌質（乾燥肌）に加え、加齢に皮膚機能の低下空気の乾燥などの外的要因によって、特に表皮層が水分不足に陥ると、皮膚表面が収縮し皮溝と皮丘のバランスが崩れ皮紋が不均一ります。

これを繰り返すことで皮紋の偏りがさらに広がり、一定方向に広がるシワになるのです。

また、誤ったスキンケア・マッサージなどもしわやたるみの原因となりかねません。摩擦や強い刺激はお肌の大敵です。タオルでごしごしこすったり、手の平でたたいたりするとお肌の負担となります。

強い力でのマッサージも、肌の機能をかえって損ねますので、適度な力で行うように心がけましょう。

真皮の機能低下によるしわ

加齢によって真皮層にあるコラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンなどの量が減少し、また肌細胞がこれらを作る機能が衰えると、肌のハリが失われ、皮膚によれができそれがしわとなります。

また、女性は20代、30代をピークに女性ホルモン量が低下しますが、女性ホルモンの低下もコラーゲンやエラスチンの生成量が減少することと深くかかわっています。

更に、日々浴びている紫外線も肌細胞の機能を壊し、肌のハリを保っているコラーゲンやエラスチン分子を分断・変性させる酵素を分泌させます。

肌細胞に活力がある若いうちは、一度切断・変性されたコラーゲンやエラスチンも、新たに作り出す力がありますのでしわは生まれませんが、加齢により肌の能力が衰えると傷ついた肌組織が残り、しわが刻まれるのです。

真皮層の機能低下による深いしわは、表皮の機能低下によるしわに比べて改善が難しいといわれています。

コラーゲンやエラスチンは分子量の大きい物質ですので、化粧品等で直接肌に塗布しても皮膚層を通り抜けられず、真皮まで到達することはありません。

食品として経口摂取しても、消化の過程で分解されてしまいますので肌の修復・しわの改善には残念ながらつながりません。

真皮層の機能低下によってできたシワは、化粧品やマッサージ・食生活では改善することができないと考えたほうがよいでしょう。

そのほか、心理的なストレスや喫煙などの負荷によりお肌に活性酸素が発生し、真皮層のコラーゲンが変質して弾力を失って硬くなることもあります。

表情筋の働きによるしわ

眉間に力を入れたときにできるしわ、目を大きく見開いたときの額のしわ、笑った時の目尻のしわ、これらは表情を作った時にできる表情じわと呼ばれます。

何度も同じところにしわを寄せ続けると、紙を折ったように癖付けされさらにしわが深く刻み込まれてしまいます。